GeoJSON とは?PHP を使った生成方法も紹介
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Web 地図で利用される代表的なデータ形式、GeoJSON について説明します。
Contents
GeoJSON とは
JSON とは
JSON とは JavaScript Object Notation の略で、JavaScript におけるオブジェクトの書き方をもとにしたデータ形式のことです。人間とコンピュータ双方にとって可読性が高く、データが重くなりづらいという特徴を持つため、今では JavaScript に限らず、PHP や Python、Java など幅広い言語で扱われています。
以下に JSON の例を示します。キーと値をコロンで区切って記述する形になっており、値をオブジェクトにすることで、入れ子構造もとることができます。そのため、CSV よりも複雑な構造をとることができます。XML に比べると文字数も少ないため、比較的軽量なデータになるのが特徴です。なお、キーは必ずダブルクォーテーションで囲む必要があり、シングルクォーテーションだとエラーになります。
{
"key1": "value1",
"key2": "value2",
"key3": {
"key3-1": "value3-1",
"key3-2": "value3-2"
}
}
GeoJSON について
GeoJSON は JSON に基づく地理データを記述するためのデータ形式です。点や線、面などの表現が可能になっています。GeoJSON の議論自体は 2007 年に始まり、2008 年にはフォーマット仕様が確定した、歴史あるファイル形式になっています。ブラウザ上での地理データの表示はフロントエンド側が担うことが多く、JavaScript を用いて地理データを表示させるケースが一般的なため、JSON に基づくデータ形式になったのかもしれません。
以下に GeoJSON の例を示します。複数の点を表現している例になるのですが、入れ子構造になっているデータの中に、type や coordinates(座標)といった情報が決められたフォーマットで記述されていることが分かります。
{
"type": "FeatureCollection",
"features": [
{
"type": "Feature",
"properties": {
"description": "札幌",
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [141.3507794, 43.0686498]
}
},
{
"type": "Feature",
"properties": {
"description": "函館",
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [140.7257372, 41.7742072]
}
},
{
"type": "Feature",
"properties": {
"description": "苫小牧",
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [141.5968821, 42.6400714]
}
}
]
};
GeoJSON の例
もう少し掘り下げて、点データを記述する場合、線データを記述する場合、面データを記述する場合、複合データを記述する場合について、簡単な GeoJSON の例を示します。
点データ
単一点データでは type を Point に設定します。非常にシンプルですね。
{
"type": "Point",
"coordinates": [141.3507794, 43.0686498]
}
線データ
線データでは type を LineString に設定します。座標は二次元配列で定義します。
{
"type": "LineString",
"coordinates": [
[141.3507794, 43.0686498],
[140.7257372, 41.7742072]
]
}
面データ
面データ(いわゆるポリゴン)です。こちらも座標は二次元配列で定義します。始点と終点の座標は一致している必要があります。
{
"type": "Polygon",
"coordinates": [
[141.3507794, 43.0686498],
[140.7257372, 41.7742072],
[141.5968821, 42.6400714],
[141.3507794, 43.0686498]
]
}
複合データ
複合データを記述する場合、type を FeatureCollection に設定し、各図形を入れ子構造で記述します。以下の GeoJSON は前述の例でも挙げましたが、再掲します。
{
"type": "FeatureCollection",
"features": [
{
"type": "Feature",
"properties": {
"description": "札幌",
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [141.3507794, 43.0686498]
}
},
{
"type": "Feature",
"properties": {
"description": "函館",
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [140.7257372, 41.7742072]
}
},
{
"type": "Feature",
"properties": {
"description": "苫小牧",
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [141.5968821, 42.6400714]
}
}
]
};
PHP を使った生成方法
以下、PHP を使った GeoJSON の生成方法の例です。WordPress 環境だとこんな感じになるかと思います。最初に空の FeatureCollection を作って、そこに array_push で各図形を追加していっています。なおここで wp_example というデータベースのテーブルに、点の名前、緯度、経度が格納されているものとします。
$sql = "SELECT * FROM {$wpdb->prefix}example ORDER BY name";
$example_db_data = $wpdb->get_results($wpdb->prepare($sql));
$geojason_data = ['type' => 'FeatureCollection', 'features' => []];
if(!empty($example_db_data)){
foreach($example_db_data as example_data) {
$feature = [
'type' => 'Feature',
'properties' => [
'description' => esc_attr($example_data->name),
],
'geometry' => [
'type' => 'Point',
'coordinates' => [(double)esc_attr($example_data->longitude), (double)esc_attr($example_data->latitude)]
]
];
array_push($geojason_data['features'], $feature);
}
}
}
$geojson_data_save = json_encode($geojason_data, JSON_UNESCAPED_UNICODE);
file_put_contents( WP_CONTENT_DIR.'/themes/hogehoge/hogehoge_geojson.json', $geojson_data_save);
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