いるかホテル

最後に:「いるかホテル」から「パントレ」へ

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 このブログではコロナ禍世界一周中断劇について日記形式で記録してきた。旅の内容については各記事と旅のまとめ記事に譲るとして、この記事では旅のその後の数年間について紹介する。

 まず突然にはなるが、旅の最後の旅記事では以下のような記述を残している。

 しかしながら、このサイトのその先のことを考えてはいる。少なくとも旅を再開するとは違う選択肢であることをお伝えしておきたい。

 そして、同じ記事の中に求職活動のほかに今後やっていきたいことを書いている。

モチベーションが続く限りは、家の中で語学やソフトウェア系(ウェブやソフトなど)の勉強でもしていきたい。

 何が言いたいかというと、旅は続けないけれども、旅に関する何らかのウェブサイトやソフト、アプリケーションをリリースしたいと考えていたのだ。

 このウェブサイトやアプリケーションについての構想は別の記事でも少し触れている。

 コロナウイルスに関する渡航情報もそうだけど、旅先で必要な情報の中には、結構体系化されていないものも多いように思える。
 例えば陸路移動に関する情報。ツアー会社側が個人旅行の仕方を公開するメリットも無いし、大手が参入しても利益を生みにくいのだろうか。殆どが先人のブロガーの発信した情報に頼っているのが現状だろう。

 この当時、漠然とこんなサイトを作りたいと考えていた。

  • 地図を使って視覚的に個人ブログをまとめて体系化する
  • 移動経路から個人ブログを検索できる機能をつける
  • ブログも書ける機能をつけて、検索流入による認知を図る

 そもそも旅人の旅路というのは、ミクロにはテンプレートのようなものがあって、王道の移動方法や抑えるべき観光地が存在する。「バナナ・パンケーキ・トレイル」といった言葉が存在するように、バックパッカーによって形成された「道」が間違いなく存在するのだ。

 地図による旅情報の体系化の狙いはその道(トレイル)の視覚化だ。道が視覚化されることによって、ノウハウが確立されている安全な移動方法を知ることや、近くに素敵な観光地があるのに見落としてしまう事態を減らすことができる。

 僕の中で、この道(トレイル)を地図上で視覚化することが面白そうだと思えた。とはいえ HTML の基礎のほか Web の知識がなかった僕は勉強から始めることにした。

 まず「DrawTrail」という Web 地図に関するブログを無職期間中に立ち上げた。このサイトでは「Leaflet Maps Maker」というマウス操作でオリジナルの Web 地図の埋め込みコードを生成するツールを作った。埋め込みコードにはサイトへのリンクも貼っていて、ユーザーが増えれば少しずつサイトの認知が広がる仕組みを狙っていたが、結局ユーザー数が増えることはなかった。

 
 DrawTrail(地図ブログ)の本当の狙い、旅情報の体系化サイトの流入経路確保は失敗したが、このブログを通して地図データや地図ライブラリの基礎知識をつけることができた。スマホアプリ開発にも挑戦したが、自分がやりたいことは Web サイトだと再認識できたのも良かった。

 Web 地図活用の準備ができたため、今度はいよいよ旅情報の体系化サイトを作り始めることにした。ここで、サイトにブログを書ける機能もつけることを絶対条件とした。なぜならサイトをただ作っただけでは流入経路が無いからだ。ブログをかける機能があれば、自分か別のユーザーが書いた記事から検索流入し、他の旅ブログへと流れ出る、いわば駅のような構造ができる。AI が活用されるようになった今、そういう設計が適切だったか分からないが。

 サイトは WordPress をベースに作成することにした。要は WordPress の管理画面、つまりエディターが使いたかったのだ。PHP やデータベースについてこの段階では知識がなかったため、参考書を買っては写経を繰り返すことで、知識を増やしながら少しずつ形作っていった。

 公開したサイトには「パントレ」と名前を付けた。サイトのコンセプトとなる旅人によって形成された旅路「バナナ・パンケーキ・トレイル」を略してパントレとした。

 
 思い返すと DrawTrail(地図ブログ)の運営に 2 年、パントレの開発に 2 年、パントレの運営に 2 年と、何年もかけてこのサイトを作っている。趣味としてそこまで時間を捧げることができたのは、自分自身何か作るのが好きだという性分もあるし、旅中のブログ更新の大変さを経験した上で旅ブロガーがもっと注目されてほしいという思いが生まれたのもある。コロナで中断となった旅の供養という意味もある。ただやっぱり 20 代後半のあの旅がなんだかんだ楽しかったのだ。

 「みんな旅をしよう」とは言わない。ただ、何かしらのきっかけでパントレが旅をする上での一助となり、楽しさの連鎖に繋がれば、管理人としてはこんなに嬉しいことはない。

いるかホテル支配人 改め パントレ管理部