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【韓国/ソウル】鳥頭山統一展望台より三十八度線を望む

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北緯三十八度線

 北緯三十八度線は、本来第二次世界大戦中にソ連とアメリカが暫定的に設定した分割占有ラインだ。その後、東西冷戦、朝鮮戦争を経て、現在の軍事境界線となった。境界線から南北に± 2 キロの範囲は非武装地帯(DMZ)に指定されている。

 DMZ のうち有名なものは都羅展望台だが、 豚コレラ対策のため平和列車(DMZ train)が運休となっており、行くことができない。 そこで、ソウルからも比較的近い鳥頭山統一展望台を訪れることにした。

▲ ソウル戦争記念館のモニュメント

鳥頭山統一展望台 へ向かう

 ソウル駅から京義線の金村駅にて下車後、900 番のバスに終点まで 40 分程乗ると、 専用シャトルバスの乗り場がある。そこから数分バスに乗ると、鳥頭山統一展望台 まで行くことができる。およそ 2 時間の道程。

 ソウル駅では、京義線の乗り場だけ少し離れていた。乗り場の前には、右手に手榴弾を持った姜宇奎像が立っていた。電車の本数は少なかったので、いくらか待った後乗り込んだ。

▲ ソウル駅京義線乗り場

 金村駅で電車を降りた。1 番出口を出て信号を渡り、少しだけ直進するとバス停があった。運転手さんには行き先を終点と告げて、支払いを済ませてから席に座った。道路の舗装状態のせいか、車内はなかなかに揺れた。

▲ 金村駅付近のバス乗り場

 終点に近づくと、車内は僕一人になった。すると運転手さんが大きな声で僕に話しかけてきてくれた。なんでも、シャトルバスの定期運行が最近廃止になって、電話をしないとシャトルバスが来てくれないようになったらしい。頂いた情報の通り、シャトルバスのバス停にはダイヤ廃止の張り紙があった。

▲ シャトルバスとダイヤ廃止の張り紙

三十八度線を望む

 展望台に着くと、そこからは少し物寂しい風景が見えた。北朝鮮では木材を燃料として使用するためか知らないが、多くの山がはげ山となっていた。点々と建物は見えるものの、人の姿を捉えることはできなかった。

▲ 韓国側。工場の煙が見える。
▲ 北朝鮮側。人の姿は見えなかった。

 ぼんやりと眺めていると、韓国旗を片手にもった御一統が現れた。目前の南北問題に対して、同じ風景を見ながらも、感じ方は僕と違うのかもなと思った。韓国の場合、歴史的背景もさることながら、首都ソウルは国境から 50 キロと離れていない。カメラを向けると笑いかけてくれる子供達を見ながら、何事も無ければ良いのになと少し思った。

▲ 韓国旗片手に望遠鏡をのぞき込む御一統