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【Python】Wikidata から世界遺産の GeoJSON をつくる

Map

 世界遺産の経緯度データを取得する方法について説明します。

 まず背景になりますが、UNESCO のサイトにて経緯度データを含む世界遺産のデータが Excel などで公開されています(参考)。ただし、以下のような利用規約があります。

  • 営利目的での配布は NG 。非営利であっても申請書を提出する必要がある。
  • データを加工して配布することは NG。

というわけで、UNESCO のサイトから取得した世界遺産データを GeoJSON などの地理データに変換して Web 上で公開することは NG ととらえたほうが良さそうです。

 そこで、Wikidata を使用します。Wikidata とは、Wikipedia 等に使用される公開データ群で、ライセンスは CC0(著作権なし)にあたるので、かなり自由に使うことができます(参考)。このデータを世界遺産に限定し、SPARQL で取得します。

 Python がある程度使える前提として詳細は割愛しますが、具体的なコードは以下のようになります。標準ライブラリしか使っていないので、以下の Python を叩くだけです。

import requests
import json
import re

endpoint_url = "https://query.wikidata.org/sparql"
sparql_query = """
SELECT ?item ?itemLabel ?coordinate WHERE {
  ?item wdt:P1435 wd:Q9259.
  ?item wdt:P625 ?coordinate.
  ?item rdfs:label ?itemLabel.
  FILTER(LANG(?itemLabel) = "ja")
}
"""

headers = {
    "Accept": "application/sparql-results+json",
}

response = requests.get(endpoint_url, params={"query": sparql_query}, headers=headers)
data = response.json()

features = []
for result in data["results"]["bindings"]:
    label = result["itemLabel"]["value"]
    point_str = result["coordinate"]["value"]

    match = re.match(r"Point\(([-\d.]+) ([-\d.]+)\)", point_str)
    if match:
        lon, lat = map(float, match.groups())
        feature = {
            "type": "Feature",
            "geometry": {
                "type": "Point",
                "coordinates": [lon, lat]
            },
            "properties": {
                "description": label,
            }
        }
        features.append(feature)

geojson = {
    "type": "FeatureCollection",
    "features": features
}

with open("unesco_world_heritage_ja.geojson", "w", encoding="utf-8") as f:
    json.dump(geojson, f, ensure_ascii=False, indent=2)

print(f"GeoJSON generated with {len(features)} features.")

 実際に作成した GeoJSON を使って、当サイトでは世界遺産の地図上可視化を行っています。トップページより「地名表示」と書かれたセレクトボックスを「世界遺産表示」に変更すると、このコードで取得した GeoJSON をもとに、MapLibre で世界遺産の位置を表示します。
 

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