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【リヤド空港泊】サウジアラビアでのトランジットについて(中国東方航空→フライナス航空)

 意外と情報が少なかったので、サウジアラビアでのトランジットについてまとめます。結論から言うと、12時間以内の乗り継ぎでトランジットエリアを出ない場合を除き、ビザが必要になります。トランジットビザはあるのですが、私のケース(複数の航空会社を使用)では申請することができず、代わりに eVisa を取得しなければならなくなりました。

はじめに

サウジアラビアについて

 アラビア半島にあるサウジアラビアは、イスラム教の聖地、メッカ・メディナを有しており、聖地巡礼のため多くのイスラム教徒が訪れます。そんな宗教国家サウジアラビアですが、観光目的での入国を禁止していた時代があり、意外と情報が少ない国になっています。観光ビザが発行開始されたのは2019年からで、それまでは訪れることが非常に難しい国の一つでした。

 今回の旅行(ジョージア)では、そんなサウジアラビアでのトランジットが発生したので、サウジアラビアのトランジットについて説明します。

 

旅程とビザについて

 以下のような旅程で、福岡ージョージア間を移動します。

  • 往路:福岡→上海(浦東)→リヤド(キング・ハーリド)→トビリシ
  • 復路:トビリシ→デリー(インディラ・ガンディー)→バンコク(スワンナプーム)→福岡

 往路、復路ともに二回の乗り継ぎがあり、リヤド、バンコクはスルーバゲージ対象外(一度受託手荷物を受け取ったのち、再度預ける必要がある)です。
 上海はトランジットビザ免除制度があり、デリーは乗り継ぎが24時間以内のトランジットエリア内に限られるので不要です。バンコクは入国が必要ですが観光ビザ免除制度があるため、トランジットビザも不要です。

 問題はリヤドでした。こちらのサイト(「Do I need a visa to travel through Saudi Arabia ?」の項目)によると、12時間以内の乗り継ぎでトランジットエリアを出ない場合に限り、ビザが免除されるようです。今回はスルーバゲージ対象外の上、乗り継ぎが12時間を超えるため、ビザが必要な条件に当てはまります。

 観光などでサウジアラビアを訪れる場合、ビザの種類は三種類あります(参考、いずれも保険料や申請費を含む)。

  • eVisa: SAR 395(約14,800円)最長90日の滞在
  • Visa on arrival: SAR 395(約14,800円)最長90日の滞在
  • Transit/Stopover Visa: SAR 52.5(約1,970円)最長96時間の滞在

 圧倒的に安いトランジットビザ一択やろ!ということで、トランジットビザ申請への格闘が始まりました。

ビザあれこれ

トランジットビザ申請への格闘

 まずは Google で 「saudi arabia transit visa」と検索して、上位のサイトを確認しました。

  • Visit Saudi:まずは検索トップにいたこのサイトから。サイトの右上に「Get Your Visa」のボタンがありますが、クリックしてもトランジットビザの申請フォームにはジャンプしません。ただ色々と情報は書いてあって、例えばサウディア航空あるいはフライナス航空を予約した人のみ、無料のトランジットビザサービスが受けられる(申請料は別途かかる)等です。ウムラあるいはジヤーラ?を行う人は、Nusuk というサイトでいろいろとプランを予約できるらしいです。
     
  • Nusuk:Visit Saudi からとんで、このサイトを見てみました。右上に「Saudi eVisa」のボタンがありますが、やはりトランジットビザへの申請フォームにはジャンプしません。FAQ に書いてある内容も、概ね Visit Saudi と同じでした。
     
  • 外務省のサイト:Visa については、やはり Visit Saudi か、駐日サウジアラビア大使館のサイトか、KSA VISA というサイトを参照せよ、と書かれています。試しに、KSA VISA にとんでみましたが、「Transit」→「AIR TRANSIT VISA」の欄の「APPLY」を押しても特に別のページにとんだりすることもなく、何も起こらずでした。
     
  • saudisvisa:それっぽい申請フォームのサイトでしたが、トランジットビザの申請欄はありませんでした。

 ほかにも色々なサイトを確認しましたが、まとめると、①どのサイトもトランジットビザの申請フォームはない、②サウディア航空もしくはフライナス航空の利用者のみトランジットビザが申請できる、といった感じでした。

 それだったら、サウディア航空かフライナス航空のサイトから申請できるのかな、と思い、両サイトにアクセスしました。すると、やはりトランジットビザのページがあったはあったのですが(サウディア航空フライナス航空)、このページから航空券を買うと、もれなくトランジットビザも申請できるよ、というページのようでした。

 Trip.com で 上海→リヤド(中国東方航空)、リヤド→トビリシ(フライナス航空)の航空券をすでに手配していたので、このページから航空券を買いなおすのは流石にナシです。途方に暮れていたところ、Trip.com でサウディア航空の航空券を買い、あとからサウディア航空のサイトよりトランジットビザを申請した先人のブログを見つけました参考)。リヤド→トビリシはフライナス航空で航空券を手配していたので、これはフライナス航空に問い合わせるほかないです!

(Trip.com にも電話で問い合わせましたが、AIの対応で、「大使館に確認してください」の一点張りでした。大使館にも問い合わせフォームから聞いてみましたが、今のところ返信ナシです…)

フライナス航空に問い合わせ

 とりあえず、まずフライナス航空のサイトから予約した航空券のページを見てみました。予想通りというか、やはりトランジットビザの申請フォームはありません。
 次に、メールでの問い合わせをしてみました。どうやら問い合わせ用のメールアドレスが、「CSU@flynas.com」と「customerservice@flynas.com」があるらしく(参考1参考2)、両方にメールを送ってみましたが、特に返答はありません(後日、前者のメールアドレスから返信が来ました)。

 AIチャットもフライナス航空のサイトの右下にあるので、色々聞いてみましたが、そこで少し発見がありました。
 まず最初にチャットで言語を英語に選択すると、「Greetings from flynas! I’m here to make your flying experience hassle-free & secure. These are a few things I can help you out with. ~ (以下問い合わせ項目)」と表示されるので、「Contact e-mail」と入力してみました。すると「Let’s help you out here. Would you like to connect to our live agent for a quick resolution? (迅速な解決のため、エージェントにライブチャットをつなぎましょうか?)」との返答が来たのです。もちろん「Yes」と回答し、フルネーム、e-mail アドレス、国コード、電話番号を伝えると、104人待ちなのでしばらくお待ちください、との連絡が来ました。

 104 人待ちですが、この機を逃すと直接問い合わせする機会ももうないと思い、待つことにしました。「What turn is mine?」と入力すると、自分の順番を教えてくれるので、それを確認しながら、結局のところ 4 時間(日本時間で午前1時)待つことになりました。

 チャットを始めてから 4 時間後、エージェントがチャットに参加しますと連絡があったので、「Thank you.」とだけ伝え、エージェントから問い合わせ内容をお伺いします、とチャットが来たので現状を伝えました(上海→リヤド→トビリシの移動で、上海→リヤド間は中国東方航空を、リヤド→トビリシ間はフライナス航空を使う。トランジットは 12 時間越えで、入国する必要がある)。すると、以下のような返信が来ました。
 「It is not eligible for a stopover visa through Flynas due to booking with more than airline. Eligible reservation include direct flights, multiple destinations. And all flights must be in one Flynas reservation not in separate reservations. Regarding your inquiry, you can apply for a regular visa through the Ministry of Foreign Affairs.」(複数の航空会社で予約したため、フライナスを介したストップオーバービザの対象にはなりません。対象となる予約には、直行便、複数の目的地が含まれます。また、すべてのフライトは別々の予約ではなく、一つのフライナス予約に含める必要があります。お問い合わせに関しては、外務省を通じて正規ビザを申請できます。)

 結局のところ、入国と出国、どちらもフライナス航空の場合に限り、フライナス航空経由でトランジットビザの申請ができるみたいでした。入国が中国東方航空となる今回のようなケースでは、eVisa かアライバルビザが必要になるみたいです。

eVisa の申請

 搭乗時に揉めるのも嫌だったので、事前に eVisa を申請することにしました。申請そのものは簡単で(前述の Visit Saudi より申請)、以下の YouTube が参考になります。申請時に 200ピクセル×200ピクセルの画像が必要になりますが、画像のトリミング&リサイズにはこのサイトが便利だと思います。サウジアラビアでの滞在先も入力するよう要求されましたが、空港(キング・ハーリド国際空港)も滞在先として指定できるようになっていました。最終的な支払額は、仲介手数料込みで 402.21 SAR(約15,000円)でした。サイトに書いてある 395 SAR と大きく乖離はないですね。

▲サウジアラビアの eVisa 申請方法

リヤドにて

 リヤドには 18:00 過ぎに着きました。そのまま入国審査を経て、受託手荷物を受け取ります。入国審査では eVisa を印刷したものを見せましたが、到着ゲートから入国審査までの間にアライバルビザ取得用のカウンターをパッと見つけられなかったので、やはり事前に eVisa を取得しておく方が安全だと思います。基本的に他の人も eVisa を取得しているみたいでした。

▲ キング・ハーリド到着ロビー。出発ロビーと一体化している

 入国後、到着ロビー(出発ロビーとも一体化している)で夕食をとります。何店舗か飲食店がありましたが、ALBAIK というハンバーガー・ショップを選びました。サウジアラビアのファーストフード・チェーン店で、マクドナルドやケンタッキーといったチェーン店と大きく値段は変わらなかったです。

▲ サウジアラビアのハンバーガー・ショップ ALBAIK

 夕食後、フライナス航空のチェックイン・カウンターで何時間前にチェックインできるか聞きにいきました。すると、6時間前からチェックインできる、といった回答を貰いました。次に乗るフライト(トビリシ行き)は翌朝の 7:30 頃だったので、1:30 になるまで到着ロビー周辺で仮眠をとることにしました。到着ロビーにはソファーがあり、仮眠はとりやすかったです。

▲ 到着(出発)ロビーにあるソファー

 1:30 に起きて、再びフライナス航空のチェックイン・カウンターに行き、チェックインをして手荷物を預けました。出国手続きを済ませたのち、出発ゲートで再び仮眠をとります。出発ゲートには手すり付きの椅子しかなかったので、床で横になって寝ました。なお出発ゲートにはラウンジもあるのですが、利用者がかなり多そうだったので、あまりゆっくりできないかもしれません。

▲ 出発ゲートには手すり付きの椅子しかない

 離陸の 1 ~ 2 時間前に起床後、出発ゲートにあるバーガーキングで朝食をとり、無事リヤドでの空港泊を経てトビリシ行きの便にのることができました。

▲ トビリシ行きの便に乗り込む

まとめ

サウジアラビアでのトランジット

 サウジアラビアのトランジットでは、12時間以内の乗り継ぎでトランジットエリアを出ない場合を除き、ビザが必要になります。トランジットビザもあるのですが、国営のサイトからではなく、基本的にはサウディア航空かフライナス航空経由での申請です。特にフライナス航空の場合は、入国と出国、どちらもフライナス航空の場合に限り、フライナス航空経由でトランジットビザの申請ができるみたいでした。トランジットビザが取得できない場合は、eVisa あるいはアライバルビザを申請する必要があります。

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 この記事が皆様の旅の一助となりますことをお祈りいたします

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