【ネパール/ルンビニ】 釈迦の生まれた土地、ルンビニ
精神の偉大さは苦悩の深さによって決まるんです。
宮崎駿『風の谷のナウシカ』
粘菌の変異体にすら心があります。
釈迦の生まれた土地
仏教はインドで生まれたが、その開祖が生まれたのはインドではない。諸説あるものの、ネパールのルンビニで誕生したとする説が最有力だ。
ルンビニには、ルンビニ・ガーデンと呼ばれる区画が有って、シッダールタ、即ち釈迦が生まれた聖園があり、アジア各国の寺院が再現されている。つまり、仏教の誕生と伝播、そして変貌を感じられる仕組みになっている。



今までの旅は、ちょうど仏教の伝来と逆のコースを辿ってきたと思うと感慨深い。
カピラヴァストゥのシッダールタ
小国カピラヴァストゥ(カピラ城)の王子として生まれたシッダールタは、何不自由ない暮らしに恵まれていたものの、感受性が高く思い悩む事が多かったという。
そんなシッダールタに二十九歳のとき転機が訪れる。宮殿の東では老人、南では病人、西では死人をみたシッダールタは、最後に北で清々しい修行僧を見て、修行こそ我が道と、出家に至ったそうだ。それからこのルンビニを離れて、インド北部へ修行の旅に出ている。



もとより、コーサラ国といった近隣強国の脅威や、カースト制度など、物憂う事が多かったのかもしれない。シッダールタは「かくの如き四姓はことごとく皆平等なり」、加えて「すべての生命は平等であり、上下は無い」と後世に残している。
なんだか全ての生命は平等という内容には少し違和感を感じるけれど、これに関連して宮崎駿は『風の谷のナウシカ』の作中で面白い表現をしている。「精神の偉大さは苦悩の深さによって決まるんです」成る程、人々は皆平等かもしれないが、シッダールタは間違いなく偉大だっただろう。


キリスト教では人が「知恵の実」を食べた事こそが原罪とされる。しかし皆平等という考えのもと、たまには人間らしく悩んでみるのも必要なのかもしれない。そんな事を考えながら、のんびりとルンビニ・ガーデンの園内を歩いた。
別に悩むのが良い事という訳でもないし、悩むっていっても限度があるけれど。