海外旅ブログに適したブログサービスについて考えてみた
WordPress を含め、note やはてなブログなど種々のブログサービスが存在します。それらのうち海外旅ブログに適したものは何かについて考えてみました。
はじめに
「旅の記録を共有したい。」旅ブログはそれを実現する有効な手段の一つです。実際に旅する中で先人の旅ブログにお世話になった方は特にそう考えることも多いでしょう。移動や観光に関する情報・感想、その他旅ハックは旅程を考える上でなくてはならない存在です。
しかし最初に、実際に旅ブログを開設する上で大事な注意点を挙げておきます。それは、「旅ブログは収益化が極めて困難」だということです。ブログの収益源は主に広告掲載収入と成果型サービス紹介収入(アフィリエイト)に大別されますが、日本人海外旅行者の規模はさほど大きくないため広告閲覧数は稼げません。ホテルや航空券、クレジットカードなどのサービス紹介も Trip.com のような大手仲介サイトを使う方がほとんどでしょう。
海外旅ブログを執筆するということは、ネットを通じて誰かに旅情報を提供する、ということになります。しかしながらその相手、特にバックパッカーは基本的に「安く」旅行をしようと考えているため、情報に対して対価を払う可能性は低いです。そのため旅ブログは、自分自身の備忘録として、長旅の場合は生存報告として、あるいは旅を通じて受けたやさしさへの恩返しとして、ぐらいの気持ちで運営することがおすすめです。
前置きが長くなりましたが、海外旅ブログに適したブログサービスについて結論から書きます。SNS などでフォロワーが多い方は、ファンに向けて note でときどき有料記事を書くのが数少ない旅ブログの収益化方法です。特にそういう狙いがない方は、はてなブログを使うのがお勧めです。デザインなど自分のサイトにとことんこだわりたい方は WordPress を使ってください。
筆者の経験:はてなブログで 1 つ、ライブドアブログで 2 つ、WordPressで 4 つのサイトを作りました。特に WordPress では世界一周ブログを作ったことがあり、収益化も試みました。note はアカウントを持っていますが、あまり運用していません。
各種ブログサービス比較
無料ブログサービス
無料ブログサービスでは、記事内に広告が自動で挿入されてしまう代わりに、サーバー代などを気にせずに無料でブログを書くことができるようになっています。有料プランに切り替えれば、収益化ができるようになるサービスもあります。以下サービスの例をまとめます。
- はてなブログ:カスタマイズの自由度が高い。有料プランに切り替えて独自ドメインを取得すれば、Google Adsense をはじめとする自由度の高い広告掲載・収益化が可能。
- アメーバブログ:ダイレクトメッセージ機能があり、クリエイター間の交流が可能。Ameba Pick など無料で収益化する手段もあるが、収益化方法の自由度は小さい。
- ライブドアブログ:完全無料で使えて、デザインテンプレートも豊富。収益化も可能。モバイル表示での広告表示をオフすることができないのが欠点。
- 楽天ブログ:楽天アフィリエイトと連携した収益化が可能となっているものの、独自ドメインを取得することができないので収益化の自由度は低い。
上記のドメインとはサイトの URL に表示されている部分のことで、インターネットにおける住所に相当します。はてなブログが独自ドメイン取得後の自由度が高く個人的にはおすすめです。とはいえ個人の好みだと思うので、気に入ったブログサービスを利用されてください。
なお「〇〇ブログは検索上位に表示されやすい」という都市伝説がささやかれていることもありますが、基本的にブログで大事なのは記事の中身とターゲット層の関係だと考えています。AI の台頭もありますし、ドメインパワー云々は気にしなくていいでしょう。
話を旅ブログに戻すと、旅ブログでは写真が記事内に沢山挿入できるかも重要です。以下に各サービスの画像制限をまとめておくので、参考にされてください。
| ブログサービス | 画像制限 |
| はてなブログ | 無料プラン:月間 300MB、有料プラン:月間 3 GB |
| アメーバブログ | 無料プラン:全体 1 TB、有料プラン:無制限 |
| ライブドアブログ | 10 GB~ (日毎に増加) |
| 楽天ブログ | 1 日合計 30 MB |
| 参考:note | テキスト記事では枚数制限なし。 |
note
note とは、2014 年にサービスを開始した国産のコンテンツ配信プラットフォームです。音声や動画もアップロードできるためコンテンツ配信プラットフォームと書きましたが、文章や写真を共有するクリエイターが多いため、ブログサービスの一つと捉えることもできるでしょう。
しかしながら、note は従来のブログサービスと大きく異なる点があります。それはファンがクリエイターに対して直接課金できるシステムを取り入れていることです。各記事から「チップで応援する」ことができますし、クリエイター側も有料記事/有料マガジンを販売することもできます。
ファンとクリエイター間の課金システムについて取り上げましたが、逆にいうと収益化したときの収入源はファンに大きく依存しています。どんなに有益な記事を書いたとしても、どこのだれか分からないクリエイターの有料記事を買うことはなかなかないからです。そのため note は SNS などでフォロワーが多い方向けのサービスかなと考えています。
note のデメリットを挙げるとすると、サイトデザインを変更できない(いかにも note といったページになる)ところかなと思います。note のデザインに対して、読みづらいためカスタマイズしたいと感じる方もいるようです。タグを除き、記事のカテゴリ分け等もできないので、ページ間移動がしずらいと感じさせてしまうかもしれません。
4travel.jp
4travel.jp(フォートラベル)は日本最大級の旅行クチコミサイトです。「価格.com」「食べログ」などインターネット関連サービス事業を行う株式会社カカクコムの子会社が管理しています。旅行特化の口コミ共有サイトになっているため、観光地に紐づけた情報共有・ユーザー間交流が可能です。サイトのカスタマイズができないこと、広告は自動挿入されてしまうこと、ポイントを除き収益化が困難なことがデメリットとなります。
WordPress
WordPress は正確にはブログサービスではなく、CMS(Contents Management System)になります。自分でレンタルサーバー契約・ドメイン契約などを行う必要があり、ゼロからサイトを立ち上げていくイメージです。はてなブログのように、ブログサービスとしての WordPress.com も存在するのですが、話がややこしくなるのでここでは割愛します。
メリットはなんといってもその自由度の高さ。自分でサイトを立ち上げることになるので、逆にいうとサービス制限の影響を受けなくなります。もちろん独自ドメインなので広告掲載やアフィリエイトの導入も自由にできます。HTML や CSS、JavaScript、PHP 等のコードが書けるならば、本当に自分の作りたいサイトを作れます。とことんこだわる方向けです。逆にいうと「サーバー?ドメイン? CSS ?調べるのめんどくさい」 と思う人にはお勧めしません。
また、レンタルサーバー代などランニングコストがかかることを忘れてはいけません。この記事の最初に説明した通り、「旅ブログは収益化が極めて困難」です。なので、サーバー代が浮けば儲けぐらいの感覚で運用するのがいいと思います。「稼ぐなら WordPress 一択」などと謳うサイトも多いですが、実際のところそういったサイトはレンタルサーバーや WordPress テーマのアフィリエイトサイトがほとんどなので、あんまり信じなくていいと思います。
筆者は WordPress に文句を言いながらもなんだかんだ好きです。このサイトも自作テーマかつデータベースをいじりながら構築しています。「ブログを書く」からユーザー登録すれば、このサイトでも WordPress ブログを執筆可能ですので、興味がある方はこのサイトでぜひ WordPress を触ってみてください。
おわりに
以上、旅ブログに適したブログサービスについて考察しました。最初に述べた通り、SNS などでフォロワーが多い方は、ファンに向けて note でときどき有料記事を書くのが数少ない旅ブログの収益化方法です。特にそういう狙いがない方は、はてなブログを使うのがお勧めです。デザインなど自分のサイトにとことんこだわりたい方は WordPress を使ってください。
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